Ⅰ. はじめに

技術開発競争の国際化や先鋭化を背景に、国境を越えた営業秘密侵害が増加しており、渉外的要素を含む営業秘密侵害紛争に関する国際裁判管轄や準拠法選択ルールの確立が急務である。筆者も、平成24年に営業秘密侵害紛争の準拠法に関する論稿1)を上梓したが、その後10年の間に4度の不正競争防止法(以下「不競法」という)改正があり、特に平成27年改正では、21条6項における国外犯処罰対象行為の拡大のほか2条1項10号(営業秘密侵害品の譲渡・輸出入)の新設等による営業秘密保護の強化が行われた。