事実

Y(被告。ブラザー工業株式会社)が製造販売するインクジェットプリンタは、インクカートリッジの装着時に3.3Vの電圧をかけ、プリンタがカートリッジの情報を読み取る認証機能が装備されている。Yは、過電流防止目的のためとして、平成30年2月、新たに1.5V回路を追加し、1.5Vの電圧をかけた際、基準電流量(約0.169mA)を超える電流量を検知すると、3.3V回路に電流を流すことなくエラーメッセージが表示されるという設計変更(本件設計変更)を決定した。その後、平成30年9月、Yは、プリンタ3機種を発売。しかし、発売当初、これらに本件設計変更は施されていなかった。このプリンタ3機種に対して、本件設計変更が施されたのは、発売から3カ月ほど経過した同年12月である(新型3機種)。なお、平成31年3月に発売したプリンタ2機種にも本件設計変更が施されている。これによって、本件設計変更前のプリンタ3機種に対応したインクカートリッジは、新型3機種らに装着するとエラーが生じ、使用することができなくなった。具体的には、本件設計変更に対応していないインクカートリッジを2つ以上装着すると、「インクを検知できません01」というエラーメッセージが表示され検出不可能(使用不能)となる。