厚生労働大臣(以下、「厚労相」という)は、令和3年9月22日付けで、労働組合法18条に基づく地域的拡張適用を一部認める決定・公告を行った。企業別協約が支配的な日本において同条の適用は稀であり、厚労相名では初めてのことである。本稿は、この注目すべき決定の基礎となった、同年8月4日付け中央労働委員会(以下、「中労委」という)決議の内容を検討していく。なお、以下の条文は、特に明記しない限り労働組合法の条文である。