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Ⅰ はじめに──問題の所在

介護サービスを提供する仕組みは、65歳という年齢を基準に2つに分かれている。すなわち、高齢期(65歳以上)に必要な介護サービスは介護保険により、若年期(65歳未満)に必要な介護サービスは障害福祉サービスによって提供される。介護サービスの提供が、こうした年齢を基準とする二元的な仕組みによってなされていることで生じているのが、一般に「65歳問題」と呼ばれている問題である。¶001

障害福祉サービスを利用していた者が65歳に達すると、まず、介護保険を通じて介護サービスを利用しなければならなくなる。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下、「総合支援法」という)7条が、「介護保険優先原則」を定めているからである。そして、介護保険では満たされない介護ニーズについて、障害福祉サービスでの対応がなされることとなる。しかし、両者にはサービスを利用した際の利用者負担のあり方に相違があり、利用者負担なしで障害福祉サービスを利用していた者も、65歳になって介護保険のサービスを利用する際には1割の利用者負担をしなければならない。また、介護サービスは介護保険法と総合支援法のそれぞれに基づき指定を受けた事業者によって提供されることから、65歳になると、障害福祉サービスの指定事業者から介護保険の指定事業者へとサービス提供事業者を変更する必要もある。この2つが「65歳問題」と呼ばれている問題である。そして、この問題があるが故に、65歳未満で障害福祉サービスを利用していた者の中に、65歳以降も障害福祉サービスを利用し続けることを希望する者が生じることとなった。¶002