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CASE

作曲家Aは、楽曲 α の著作者である。レコード会社Xは、Aとの間で、期間を5年とするαの日本国における利用許諾契約を結び、その後、同契約に基づいて、αの演奏を録音したレコード(以下「レコードX」という)の製造販売を開始した。

下記の各事例において、権利者による考え得る法的請求はどのようなものか。α の著作権が①Aに帰属している場合と②JASRACにより管理されている場合で、結論は異なるか。

(1) 医療法人Yは(医療法人は非営利団体である)、施設内でヒーリングコンサート(以下「本件コンサート」という)を企画し、その中で α を披露しようと考えた。Yは α の歌詞を作詞家Bに委嘱し(歌詞 β)、Yが施設内に設置していた機器でレコードXを再生し、無報酬での出演を引き受けた歌手Cに α を、β をのせて本件コンサートで歌ってもらった。本件コンサートは、施設の患者及びその家族を対象としたもので、50名が来聴した。入場は無料だったが、会場ではプログラムと共に、寄附の依頼書が渡され、同書には、電子決済用の二次元バーコードと送金による場合の振込先情報が記載されていた。Yは今後、別の施設においても同じプログラムでヒーリングコンサートを開催する予定がある。

(2) Zは、患者の家族として本件コンサートを鑑賞し、私的に楽しむ目的で、誰からも許諾を得ずに本件コンサートを録画した(以下「本件録画物」という)。後日、Zは別のコンサートの様子がブログ等で紹介されているのをみて、自分も公開してみようと思い立ち、本件録画物を動画配信サイトにアップロードした。

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