Ⅰ. はじめに

2021年10月、BEPS(税源浸食と利益移転)に関するOECD/G20包摂的枠組み(以下、「包摂的枠組み」という)の合意に基づいて公表された「経済のデジタル化に伴う課税上の課題に対応する2つの柱の解決策に関する声明(2021年10月8日)」1)(以下、「10月声明」という)は、国際課税分野に大きな変化をもたらす可能性がある。市場国に課税権を再配分する第1の柱はもちろんのこと、国際的に合意された最低税率を多国籍企業グループに課すことを目的とした第2の柱も、従来の国際社会が達成できなかった野心的な取組であることは間違いない2)