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事実

訴外A(女)は昭和63年6月に訴外B(男)と結婚し、平成元年にX(原告・控訴人・被上告人)が生まれたが、平成4年頃からBはAとXとは別居し、他の女性の下で生活を始めた。別居後にBがAと面会したのは数回にすぎず、婚姻費用もほとんど分担しなかった。Aは平成21年頃、Bから協議離婚を求める書面の送付を受けたが、当時大学生のXの就職への支障を懸念して、離婚の意思はあったものの手続をしなかった。その後、Xが大学を卒業した平成26年には罹患していた病気の状態が悪化し、Bと離婚しないままAは死亡した。Aは死亡の前日にいわゆる危急時遺言の方式によって推定相続人であるBを廃除しXに全ての遺産を相続させる旨の遺言をし、それに基づき家庭裁判所は平成28年10月5日にBをAの推定相続人から廃除するとの審判をした。¶001