事実

被告Yは、みなし仮想通貨交換業者であり(本件当時。平成31年1月に登録済み)、仮想通貨(暗号資産。当時の呼称に合わせ「仮想通貨」と呼ぶことがある)販売所と仮想通貨取引所の業務を行っていた。原告Xは、Yのサービスの登録ユーザーである。

Xは、Yとの間で、YがXに対し、仮想通貨の売買の場の提供及びこれに付随するユーザーの金銭又は仮想通貨の管理等のサービスを提供し、Xがこれらを利用する契約(本件利用契約)を締結した。Yが定めた利用規約(本件規約)には、次の定めがある。①Yは、登録ユーザーの要求により、Y所定の方法に従い、ユーザー口座からの金銭の払戻し又は仮想通貨の送信に応じる(8条3項前段)。②Yは、ハッキングその他の方法によりYの資産が盗難された場合、登録ユーザーに事前に通知することなく、サービスの利用の全部又は一部を停止又は中断することができる(14条1項4号。本件条項)。③Yは、本件条項に基づきYが行った措置により登録ユーザーに生じた損害について一切の責任を負わない(14条3項)。