本稿の目的は、SDGs(持続可能な開発目標)とプラスチック法政策の関係を明らかにすることである。以下では、まずSDGsとプラスチック問題の関係を述べた上で、国際社会や国内政策の動向を概観し、最後に今後の展望を述べることとしたい。

Ⅰ. SDGsとプラスチック問題

1. SDGsの理念と受容

国連は、2015年にSDGsを掲げる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択した。SDGsは、世界から貧困をなくし、持続可能な社会・経済・環境への変革を目指すという目標を定め、2030年に向けた17のゴールと169のターゲットを示したものである1)。SDGsは、国連加盟国を法的に拘束しないものの、各国がその達成に向けて共通に取り組むものとされ、また、その達成手段については、各国の高い自発性・柔軟性が認められる2)。プラスチックに関わるのは、主にゴール12(生産・消費)とゴール14(海洋資源)である。ゴール12では、線形経済から循環経済(circular economy)への移行が掲げられ、その移行はゴール13(気候変動)やゴール14の達成にも資するという3)。循環経済とは、「あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じ、付加価値の最大化を図る経済」4)などと定義され、その実現は、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型経済からの脱却を意味する。