Ⅰ. SDGsと気候訴訟

1. 「気候変動とその影響に対処するために緊急の行動を」

持続可能な開発目標(SDGs)の13番目の項目として、「気候変動とその影響に対処するために緊急の行動をとること」が挙げられている。

2021年8月に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書第1作業部会報告書(政策決定者向け要約)によれば、人間による影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑いの余地がなく、気候システム全般にわたる最近の変化の規模と、気候システムの現在の状態は、何千年もの間、前例のなかったものである。既に地球の平均気温は工業化以前の水準よりも約1.0℃上昇しており、今後数十年の間に温室効果ガス(GHG)の排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、地球の平均気温の上昇は1.5℃ないし2℃を超えると予測されている。