Ⅰ. はじめに

火の使用を開始して以来、人類は炭素循環系を変え、ついには地球大気の組成すら変えてしまったといわれる。人類は地球を変え、生息可能な惑星基盤さえも危うくしている。地質学の時代区分によれば、我々は安定した気候の「完新世(Holocene)」に生きているはずであるが、人類の活動に起因した地球環境の急激な変化により、地質年代に「人新世(Anthropo­cene)」を導入しようとの議論が生じている1)