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▶ 事実

X1らは、令和3年7月21日までにY株式285万5900株(株券等保有割合32.72%)を取得し、同日、Y株式の保有目的を純投資から支配権の取得に変更した旨を公表した。これに対し、Yは、同年8月6日に、有事導入型買収防衛策(本件対応方針)を導入することを公表し、X1らに対し、本件対応方針所定の手続に従うことを求めるとともに、これを遵守しない場合には株主共同の利益を守ることを目的として対抗措置を発動することがある旨を警告した。その後、Y取締役会は、同月30日、独立委員会の勧告を受けて、X1らによるY株式の大量買集めの是非について一般株主が十分な情報と時間を踏まえて適切な判断を行うための機会を確保し、かかる判断がされないまま大量買集めが継続することでYの中長期的な企業価値と株主共同の利益が毀損される事態を防ぐためであるとして、差別的行使条件及び差別的取得条項付新株予約権の無償割当て(本件対抗措置。本件新株予約権無償割当て)を決定した。そこで、X1らが本件新株予約権無償割当てを仮に差し止めることを求めたが、原決定(東京地決令和3・10・29令和3年(ヨ)第20130号)が申立てを却下したためX1らが抗告したのが本件である。¶001