事実の概要
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① X(株式会社東京都民銀行―原告・控訴人)は、Y(リーマン・ブラザーズ証券株式会社―被告・被控訴人)との間で、ISDA(国際スワップデリバティブズ協会)マスター契約書に基づく基本契約により、通貨オプションを中心に、平成19年2月からデリバティブ取引を開始した。この際、H(Yの米国親会社)が本件ISDAマスター契約上のYの信用保証提供者となった。同年9月5日、同基本契約によるデリバティブ取引の担保(コラテラル)を設定する付随契約として、ISDAの書式に基づくCSA(Credit Support Annex)がX・Y間に締結された。CSAでは、担保の設定には、質権方式と消費貸借方式とがあり、本件では後者の方法が採られた。義務者(設定者)は権利者(担保権者)に対して貸付担保物(Lending Collateral)を差し入れる旨が規定されていた。CSA 3条(a)(b)では、時価評価(値洗い)が規定され、それぞれの評価日時点における、差入担保額に満つるまでの義務者の差入義務と、返還担保額に満つるまでの権利者の受戻義務とが定められていた。CSA 6条(a)(e)は「権利者は、本件CSA契約の条項に従い、保有貸付担保物の返還を請求されるまで、保有貸付担保物の所有権及びそれに付随する一切の権利を有する」旨規定されていた。CSA 8条(b)では期限前終了日における担保占有者の即時の受戻義務を定め、その履行が遅滞するときの義務者側の反対債権による“相殺”援用権を定め、CSA 11条(a)では、受戻義務履行の遅延賠償として、担保物の評価額に[デフォルト・レート(無担保コール翌日物)+1%]を乗じた(経過日数の複利計算による)金額の支払が定められていた。¶001