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事実の概要

本件訴訟におけるX(原告・控訴人)の主張は、大要、以下のようなものであった。Xは、訴外Aに対し、複数の約束手形の交付を受けて融資を行ったが、これらの手形は、Aが有限会社B社の名義を冒用したうえ、支払場所をB社等とも当座取引のない訴外C銀行D支店と記載するなどして振り出したものであった。C銀行は、本件約束手形について取引なしとして不渡処分をするべきであるにもかかわらず店頭現金決済をしたばかりか、取引停止処分後および偽造手形であることを知った後にも、同様の決済をした。当該行為は、手形交換所規則、C銀行定款、同銀行の規則に違反し銀行法23条(昭和56年改正前。現26条・27条参照)に該当する。また、E銀行、F銀行は、本件手形の提出人であるB社について取引停止処分がなされたことを知りながら、条理または信義則上の告知義務に違反してこれをXに告知しなかった。このような上記3銀行の違法な行為によってAが振り出したB社名義の約束手形およびAに信用が与えられた結果、Xは弁済を受けうるものと信じてAに171万9000円を融資したのであるが、Aは無資力で貸付金の回収をすることができなかったため、同額の損害を被った。大蔵大臣(当時)は、銀行業務の適正をはかるために必要な監督をするべき義務があるのに、上記3銀行に対する業務の状況の検査等の監督を怠ったため、これらの違法行為を未然に防止することができず、その結果Xが上記損害を被ったのであるから、国家賠償法1条により同損害のうち金1万円の賠償を求める。¶001