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事実の概要

K電気建設工事株式会社の取締役技術部長という本業を有するX(原告・控訴人)は、昭和35年・36年頃から、商品先物取引を始めて以来、年間相当枚数の取引を行い、同46年からは、取引員(商品先物取引業者)であるA社とその会長Cに全幅の信頼を寄せ、委託買付等の計算報告書も受け取ることなく、ほとんど一任して取引を代行させていた。昭和47年(係争年)でも、毛糸や綿糸等の各種先物取引(一部は他人名義)の決済によりXに損益が生じ、同年の先物取引全体では、通算後に約3327万円の決済利益が生じていた。ただ、他人Nの名義による毛糸の取引に限れば、Xは、同年に約1428万円の決済利益を得る一方で、約2379万円の決済損失を出していた。本件で問題となったのは、昭和47年のこの毛糸の決済損失の額である。Xは、当該決済損失の額は過少で、A社が昭和48年1月中に別途決済を行って生じた約3496万円の損失も、これに加えるべき(よって当該決済損失の額は約5875万円になる)であり、その結果、昭和47年の先物取引全体を通算したXの雑所得の金額もマイナスになる(申告上はゼロ)と主張した。昭和47年12月時点の毛糸の売建玉残につき、遅くとも同年の大納会(12月28日)の最終節で買付決済することをA社に委託していたのに、A社がこれを失念したのであるから、同日に決済したと仮定した場合の損失(以下「本件損失」)の額(約3496万円)を、同年分の損失として雑所得の金額の計算に反映するべきだというのが、Xの主張の根拠である。現にXは、同年分の雑所得の金額はないものとして、総所得金額486万円(農業所得、配当所得および給与所得から成る)を計算して確定申告を行っていた。¶001