事実の概要 

信託銀行である株式会社X(原告)は、平成24年4月に株式会社Cを合併し、Cが米国で平成17年2月に発行していた社債(額面総額8億5000万米ドル。本件社債)に係る債務を引き継いだ。Xは、平成25年4月から同27年4月までの5回の利払日(本件各利払日)に、米国所在の支払代理人を通じて国外で利払いを行った。

かかる利払いは、所得税法(平成26年改正前のもの。以下同じ)上は国内源泉所得として所得税(税率15%)等の源泉徴収がなされる(所税161条4号イ・212条2項・213条1項3号等)が、租税特別措置法(同法6条1項・4項は平成20年改正前、同条13項は現行法、その余は平成22年改正前のもの。以下同じ)は、法人が国外で発行・利払いする債券(民間国外債。外国法人の場合はその国内事業に係るもののみ)のうち、指定国で発行・利払いがなされる等の条件を満たすもの(指定民間国外債。その利子は当時非課税。租特6条10項・11項)以外のもの(一般民間国外債)につき、非居住者または外国法人(非居住者等)が支払を受けるべき利子については、当該非居住者等が「その支払を受ける際、その利子の支払をする者……を経由してその支払をする者の当該利子に係る……納税地……の所轄税務署長に〔非課税適用申告書を〕提出したときは、……所得税を課さない」(租特6条4項)としていた(同申告書が利払者に受理された時をその提出時とみなす。同条6項)。また、一般民間国外債のうち、非居住者等が「保管支払取扱者」に社債の保管を委託し、当該取扱者を媒介として利払いを受ける「特定民間国外債」(居住者または内国法人が非課税扱いを受けないよう所定の要件を満たすもの。同条9項)の場合は、当該取扱者が、「利子の交付を受けるときまでに……『利子受領者情報』……を〔利払者〕に対し……通知をし、かつ、その〔利払者〕が、その利子の支払を行う際その利子の支払を受けるべき者に関する……『利子受領者確認書』……を作成し、これを……所轄税務署長に提出したときは、……非課税適用申告書の提出をしたものとみなす」(同条7項)とされていた。「利子受領者確認書の提出に関する事項……その他〔同条各項〕の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める」(同条13項)とされ、政令は、同確認書の提出期限を、利払日の翌月末日としていた(租税特別措置法施行令〔平成27年政令148号による改正前のもの〕3条の2の2第27項)。