事実の概要
被告人は、6件の窃盗のうちの1件として、給油所に設置された同給油所長が看守するコンテナ倉庫(以下「本件コンテナ倉庫」と呼ぶ)に侵入し、ホイール付きタイヤ8本を窃取した。¶001
第1審判決(旭川地判令和5・12・21刑集79巻7号〔参〕408頁)は、本件コンテナ倉庫への侵入について、建造物侵入罪(刑法〔令和4年法律67号による改正前のもの。以下同じ〕130条)を適用した。これに対し、弁護人が本件コンテナ倉庫は土地に定着しておらず、同条前段の「建造物」に当たらないなどと主張して控訴した。原判決(札幌高判令和6・4・18前掲刑集〔参〕411頁)は、本件コンテナ倉庫は、「奥行き1240 cm、幅240 cm、高さ288 cmと大型のものであり、同コンテナ倉庫の看守者によれば、顧客からタイヤを預かり保管するサービスを始めたことをきっかけに令和元年7月11日に設置され、それ以降場所を移動させたことはないし、給油所が存続する限り、移動させる予定はなく、仮に移動させようとする場合には、専門業者に依頼する必要があるというのであり、現に多数のタイヤ等が保管されていたのであるから、倉庫として継続的に使用され、随時かつ任意に移動できないもので、今後も移動の予定はないものと解される上、同コンテナ倉庫内には電気業者に依頼して設置した電灯設備があり、電気は電柱から電線で引いているともいうのであるから、その形態及び使用の実態に照らすと、社会通念上、同コンテナ倉庫は、土地に定着しているというべきであって、刑法130条前段の『建造物』に当たると認められ、原判決の法令の適用に誤りはない〔以上、証拠略〕」などとして、控訴を棄却した。弁護人上告。¶002