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 事実の概要 

本件は、東日本大震災の際に発生した津波による、原子力発電所の水素爆発事故に伴う関係者らの死傷について、東京電力株式会社(東京電力)代表取締役会長等を務めたX(上告中に死亡)、同社フェロー等を務めた被告人Yおよび同社代表取締役副社長、原子力・立地本部本部長等を務めた被告人Zに業務上過失致死傷罪が成立するかが問われた強制起訴事案である。いわゆる長期評価に基づいて、小名浜港工事基準面から10 mの高さの敷地(以下、同基準面からの高さを「O.P.+10 m」、敷地の高さを「10 m盤」などという)を超える津波が襲来することの予見可能性の有無が争点となったところ、第1審判決(東京地判令和元・9・19判時2431=2432号5頁)および原判決(東京高判令和5・1・18裁判所Web〔令元(う)2057号〕)は、以下の事実を認定した。¶001