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Ⅰ はじめに

本稿には、民事裁判情報の活用の促進に関する法律(令和7年法律第49号。以下「本法」とする)に基づく民事裁判情報のデータベース化に関し、その「民事訴訟への影響」について論じることが求められている。本法は、令和8年1月15日に施行され、現在は、法務省が実施した本法5条1項の規定に基づく「民事裁判情報管理提供業務」を行う「指定法人」の公募が締め切られたところである1)。よって本稿執筆時点では、法務大臣により指定法人が指定され、民事裁判情報管理提供業務が開始し、民事訴訟における判決書が原則として全件、判例データベース等を通じてアクセス可能なものとなるのはもう少し先のこととなる。現段階でそのことの民事訴訟への影響を正確に予測することは、少なくとも筆者には不可能である。以下では、他論稿との重複をおそれつつも、本法が何をしようとしているのかを改めて概観()し、それを踏まえて、民事訴訟に及びうるごく短期的な影響について、いくつかの仮説を提示する()にとどめざるをえないが、それも蓋を開けてみれば的外れに終わるかもしれない。言うまでもなく、それ以上先のことについては基本的に立ち入ることができない()。¶001