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Ⅰ はじめに

日本国憲法は、衆参両院の選挙制度設計の多くを「法律でこれを定める」とする1)。選挙制度のあり方は民意のくみ上げに関し、決定的な意義を持つが、その設計の多くを法律、つまりまさに「その」制度で選ばれた国会議員の手に委ねるということは、選挙制度設計にあたって様々な駆け引きや思惑が交錯しがちということを意味する2)。直近においても議員定数削減という議論が話題を呼びつつも実現しなかったことに見られるように、選挙制度改革をめぐっては国会において迅速な多数派形成や抜本的な改革が容易ではない。そのため、選挙をめぐる問題はしばしば裁判所に持ち込まれてきた。ここで裁判所は、一方では民主的正統性の点において国会に劣後するため、選挙の問題を扱う際には慎重にならざるを得ないが、他方、国会が自ら一貫した形で選挙制度改革に乗り出すことを期待できない以上、時には積極的に是正を促す必要があるという難しい舵取りを求められることになる3)¶001