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タイの「2025年エスニックグループ生活様式保護振興法」(2025年9月18日公布・翌日施行)は、国内の多様なエスニックグループの文化・伝統的生活様式に関する諸権利の擁護と差別禁止を目的とし、メディアでは少数民族保護法とも呼ばれる。¶001

タイには北部の山地少数民族、沿岸部の「海民」など多様な集団が存在する。その権利擁護を求める運動の歴史は長いが、近年では2015年に「タイ国先住民会議法案」が法改革委員会(2007年憲法に基づき設置。現在は廃止)により起草されたことがある。現行の2017年憲法は、「先住民」ではなく、「エスニックグループ」(以下、「民族集団」)の語を採用する。憲法70条は政策指針の一つとして、「国は、諸民族集団のタイ人が、平穏に、かつ干渉されることなく、自発的に従来通りの文化、慣習及び生活様式に従って生活する権利を有するように振興し、保護を提供すべきである。これは、公序良俗違反又は国の安全保障若しくは公衆衛生を害するものでない限りとする」と定める。本法制定はこの規定に沿ったものである。¶002