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有斐閣法律用語辞典第5版
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事実の概要
特許出願の審査において拒絶査定を受けたX(特許出願人・原告)が拒絶査定不服審判を請求し、併せて特許請求の範囲に記載の発明を減縮する補正の手続をした。同審判の審決では、当該補正が却下されるとともに、補正前の発明について拒絶査定と同一の理由により拒絶審決がなされた。本件は、Xが当該拒絶審決の取消しを求めて提起した審決取消訴訟である。¶001
補正却下の理由は、補正後の発明についての進歩性欠如、すなわち独立特許要件違反であった。その判断においては、拒絶査定に至るまでの審査過程で審査官が挙げていなかった新たな刊行物に記載の副引用発明が指摘された。この副引用発明は補正によって限定された発明特定事項に対応する構成を備える発明であり、これを拒絶査定の際に挙げられていた主引用発明に適用することの論理付けが可能であることから補正後の発明がなお容易想到であり進歩性欠如である、すなわち独立特許要件違反であるという結論が導かれている。なお、審決の前には審尋がなされており、Xには進歩性欠如の判断に対する反論の機会が与えられていた。他方、審判段階での拒絶理由の通知はなく、Xには更なる補正の機会は与えられなかった。¶002
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阿部光利「判批」特許判例百選〔第6版〕(別冊ジュリスト275号)66頁(YOL-B0275066)