FONT SIZE
S 文字の大きさを変更できます
M 文字の大きさを変更できます
L 文字の大きさを変更できます

事実の概要

Aは、発明の名称を「ヒンダードフェノール性酸化防止剤組成物」とする特許出願(本願)をしたが、拒絶査定がされたため、拒絶査定不服審判を請求した。¶001

審決は、知財高判平成17・11・11(判時1911号48頁─本書25事件。以下「大合議判決」という)が示した、特許法36条6項1号に規定する要件(以下「サポート要件」という)に適合するか否かは、「特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきもの」との規範を引用した上で、発明の詳細な説明には「従来のヒンダードフェノール系酸化防止剤よりも、『向上した酸化安定性、向上した油溶解性、低い揮発性及び低い生物蓄積性』を有することを課題と」することが記載されているが、「発明の詳細な説明には、本願発明の組成物を具体的に製造し、その酸化安定性、油溶解性、揮発性及び生物蓄積性について確認し、上記課題を解決できることを確認した例は記載されていない」などとして、本願は同号に規定する要件を満たさず、Aの請求は成り立たないとした。¶002