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事実の概要

X(原告・上告人)は、名称を「箱尺」とする考案につき実用新案登録の出願をしたが、同出願は、拒絶査定がされた。Xは、これに対し不服審判の請求をしたが、特許庁は、同出願前に公示されたオーストラリア特許の明細書原本の記載から本願考案はきわめて容易に考案できたものとして請求不成立審決をした。Xは、これに対して、Y(特許庁長官─被告・被上告人)を被告として審決の取消訴訟を提起した。東京高裁は、その明細書原本が「頒布された刊行物」とはいえないとして「審決を取消す」とする判決を言い渡し、同判決は確定した(東京高判昭和58・7・21無体裁集15巻2号598頁)。特許庁は、審判請求事件についてさらに審理し、上記明細書を複製したマイクロフィルムに基づき「本件審判の請求は、成り立たない」との審決をした。Xは、これに対し、再度Yを被告として同審決の取消訴訟を提起したが、東京高裁は「請求を棄却する」との判決(東京高判昭和60・10・23無体裁集17巻3号506頁)を言い渡し、同判決はXに送達された。X上告。¶001