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Ⅰ はじめに

本稿においては、機微技術・情報に関与する日本人研究者をめぐる法的諸課題を鳥瞰することにしたい。まずにおいて安全保障輸出管理レジームについてごく簡単にふれた上で、において外国為替及び外国貿易法(以下、「外為法」という)に基づく「みなし輸出」管理による日本人研究者から外国人研究者や留学生への技術の提供の規制について、において退職した日本人研究者による国外への技術流出の防止について概観する。技術の提供はいったん実施されてしまうと終局的な効果を有するため、防止のための万全の対応が求められる。さらに、において「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」(以下、「経済安全保障推進法」という)(令和4年法律第43号)によって導入された非公開特許制度と日本人研究者について、において「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」(以下、「セキュリティ・クリアランス法」という)(令和6年法律第27号)によって導入されたセキュリティ・クリアランス制度と研究者について、において米国の経済スパイ法や中国の反スパイ法などの外国の反スパイ法と日本人研究者について考察する。本稿で対象となる研究者は機微技術を扱う理系の一部の研究者にほぼ限定されるが、については文系の研究者も巻き込まれることがありうる。¶001