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(税務調査終了後における再調査の法的統制(上)より続く)¶001

Ⅲ 米国法における再調査の法的統制

1 再調査規定の沿革

米国法においても、内国歳入庁(Internal Revenue Service)による納税者への再調査を制限する規定が内国歳入法典(Internal Revenue Code)に置かれている1)。再調査制限規定の起源は、1921年歳入法1309条2)にある。¶002

1921年歳入法1309条は、税務職員から面倒かつ不必要に頻繁な調査を受けているとの納税者の苦情に対応する趣旨から3)、「いかなる納税者も不必要な調査又は捜査を受けず、かつ、納税者が特に要請した場合、又は内国歳入局長官が調査後に納税者に対して追加の検査が必要である旨を書面で通知した場合を除き、各課税年度につき納税者の会計帳簿の検査は1回限りなされるものとする」と定めていた。もっとも同規定の制定によっても問題状況の完全な改善には至らなかったため、再調査が許容される場面をより限定する改正論議があったものの4)、1924年歳入法及び1926年歳入法における再制定5)を経て、その規定内容がほぼそのまま1954年内国歳入法典7605条(b)6)として具体化され、若干の文言修正を経て現行の内国歳入法典7605条(b)7)に至った。¶003