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事実

Ⅰ 事件の概観および暗号資産の仕組み

本件は、2018年に発生した国内の大手暗号資産取引所の運営会社を被害者とする暗号資産の大規模な流出事件の関係事件である。流出した暗号資産の一部を安く買い受けた行為者に犯罪収益等収受罪が成立するかが問われる中で、流出した暗号資産が同罪の客体である犯罪収益等にあたるかが問題となり、当該暗号資産を流出させる行為が同罪の前提犯罪の1つである電子計算機使用詐欺罪を構成するかが争われた。¶001