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事実

母であるX(申立人・相手方)と父であるY(相手方・抗告人)(いずれも日本国籍)は、平成14年に婚姻し、平成16年に子A(長男)、平成18年に子B(二男)、平成20年に子C(長女)(以下「子ら」という)をもうけ、日本国内で生活していたが、平成22年6月に一家5人で渡仏し、フランスでの生活を始めた。¶001

Yは、Xの承認を得た上で、令和元年7月29日から同年8月19日までの間、子らを連れて日本に一時帰国した。しかし、フランスへの帰国予定日に、YはXに対し、子らをフランスに戻さない旨の電子メールを送信した。これを受けて、Xは子らが日本にとどまることに抗議する旨のメールを送信するなどの対応をとったが、子らの返還を受けることはできなかった。そこでXは、令和2年7月27日、大阪家庭裁判所に対し、子らをフランスに返還するよう求める申立てを行った。なお、子Aについては、申立時点で既に16歳に達していたため、本件申立ての対象外とされている(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律〔以下「実施法」という〕27条1号)。¶002