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Ⅰ ジャーナリズムの職責と憲法21条の精神

1 新聞と大学――知の求心力の変貌

筆者は、15年ほど前に、次のように書いたことがある。¶001

新聞が抱える現代的危機は、今日の大学が抱える危機と似ている。「せめて新聞くらいは読まないと…」と言われたように、「せめて大学くらいは出ていないと…」と言われた日々は、ともに遠い過去のものであり、新聞も大学もインターネットに顧客を奪われつつあるのが現状である。マンガ、ニュー・メディア、あるいは予備校や専門学校、そしてインターネットと数々のライバルの出現に、かなり以前からたじろぎつつも、これといった打開策を編み出せずに、他面で、王国は不滅であると半ば楽観的に信じてきた点でも両者は似ている。情報技術の進歩、若者の活字離れ、景気の変動、少子化など家族構成の変化、等々の環境的要因が危機の背景として数えられるが、危機の核心が自らのうちにあると薄々気付いていながら、なかなか手を打てない保守性が染みついている点でも両者は共通している1)

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