2人の母親を認める憲法裁判決
—生殖補助医療法の一部違憲

憲法裁判所は、2025年3月、生殖補助医療に関する2004年の法律に対して、外国で生殖補助医療技術を利用した女性同士のカップルの子について、生物学的な母親の子としてしか認知されない点を違憲と判示した（2025年判決第68号）。判決は、ある女性によって、別の女性の同意の下、親としての責任を引き受けるという計画に基づいて、外国でその国の法律に従って行われた生殖補助医療によりイタリアで生まれた子の地位に関する問題に、検討の対象を意識的に限定している。しかし、同性婚も、同性カップルによる国内での生殖補助医療技術の利用も認められていないイタリアにおいて、一定のインパクトを持ち得る内容となっている。以下、その行論の要点を紹介する。¶001