▶ 相談の要旨

(1)相談者であるX社は、分析機器甲のメーカーである。我が国の分析機器甲の製造販売分野におけるX社の市場シェアは、約60%である。(2)X社が製造販売する分析機器甲を使用するためには、専用の消耗品Aが必要である。X社製甲用の消耗品Aについては、X社が製造販売しているほか、複数の独立系メーカー(分析機器甲は製造していない)も製造販売している。独立系メーカーの供給するX社製甲用の消耗品A(以下「非純正品」)の市場価格は、X社の供給するX社製甲用の消耗品A(以下「純正品」)の市場価格を25%ほど下回っている。X社製甲用の消耗品Aの製造販売市場におけるX社のシェアは約90%、独立系メーカーのシェアは約10%であるところ、近年、独立系メーカーのシェアは増加傾向にある。X社は、X社製甲についてユーザーに対し品質・性能を保証しているが、非純正品が用いられた場合には保証の対象外としている。また、X社は、X社製甲に非純正品が使用された場合の分析精度の検証は行っていない。X社製甲ユーザーは、X社製甲に非純正品を使用した場合にはX社による保証の対象外となること及び当該場合の分析精度の検証が行われていないことについて、ある程度承知している。(3)X社は、これまでに、非純正品を用いてX社製甲を使用したユーザーから、部品の発熱、分析値の異常等の不具合について、複数の報告を受けている。非純正品に係る前記の不具合の発生率等は不明であるものの、当該不具合の発生を受け、X社は、X社製甲の安全性及び分析精度の確保のため、純正品にICチップを搭載し、当該ICチップを認証する機能をX社製甲に追加することによって、純正品が使用された場合と非純正品が使用された場合とでX社製甲の動作に差異を設ける以下の2つの案を検討している。(ア)純正品が使用された場合にのみX社製甲のディスプレイ上に分析値が表示されるようにし、非純正品が使用された場合には分析値が表示されないようにする。すなわち、非純正品については、X社製甲に使用することができないようにする(以下「第1の取組」)。(イ)非純正品が使用された場合には、X社製甲のディスプレイ上に、分析値を表示させた上で、「保証対象外」・「精度未検証」という文言を表示させる(以下「第2の取組」)。このようなX社の取組は、独占禁止法(以下「独禁法」)上問題となるか。