Ⅰ. はじめに

2021(令和3)年3月29日に、最高裁判所第一小法廷は、祖父母からの監護者指定申立事件と、面会交流申立事件の2つの事件において、そのいずれも、祖父母からの申立てを認めなかった。その理由は、日本民法は第三者が子の監護者となることも、子と面会交流することも規定しておらず、根拠を欠くからというものであった。

このような事件が現れて、最高裁で判断が下されたという現代的意義は大きい。子の出生率の低下や共働き世帯の増加により、祖父母による子への関心と関与が高まっており、また、2020年度の児童虐待相談対応件数が20万件を超える現代において、親以外の第三者が子を見守る必要性が求められている。そして、法制審議会で子の監護についての見直しが議論されているなかで、第三者による監護と面会交流の立法化についても議題に挙がっているという時期にあり、時代を象徴するという意味において、重要な事件といえる。