Ⅰ. はじめに

行動ターゲティング広告(以下「ターゲティング広告」)とそれに用いられる利用者情報の問題は、現在の経済社会と法制度における最重要課題の1つである。

GAFAと呼ばれるグローバルプラットフォーム事業者のうち、例えばGoogleの売上げの8割以上、Facebook(以下「FB」)の売上げの95%以上が広告であり、その多くをターゲティング広告が占めている。その広告を個々の利用者にとって「最適」なものとするために活用されているのが利用者から集めた利用者自身の情報である。広告以外のサービスやコンテンツも利用者情報によって「最適化」されることで、我々は利便性を享受しているが、それは一方で、プライバシーの問題を惹起し、他方で、ケンブリッジアナリティカによる米国大統領選挙への介入など、社会に重大な影響を及ぼす「マインドハッキン」1)のツールにもなっている。