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Ⅰ 法整備の背景

近年、サイバー攻撃による政府や企業の内部システムからの情報窃取等が大きな問題となっているほか、重要インフラ等の機能を停止させることを目的とした高度な侵入・潜伏能力を備えたサイバー攻撃に対する懸念が急速に高まっている。¶001

また、重要インフラの機能停止や破壊等を目的とした重大なサイバー攻撃は、国家を背景とした形でも日常的に行われるなど、安全保障上の大きな懸念にもなっているところである。¶002

これまで、政府においては、インターネット利用者によるウイルス対策を始めとするサイバーセキュリティ対策の促進のほか、サイバー攻撃の手口の公表や、サイバー攻撃の主体を特定して公表するパブリック・アトリビューション等に積極的に取り組んできたものの、現在の安全保障環境に鑑みると、既存の対策では十分でなく、我が国のサイバー対応能力の向上は喫緊の課題である。¶003