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 事実の概要 

原告Xは紛争地域での取材を多く行うフリージャーナリストである。Xは平成27年、シリアにおける反政府活動および内戦の状況について取材するため、トルコからシリアに入国し、武装集団による身体拘束を受けた。その後、シリア入国から3年4か月後である平成30年10月23日に解放されて日本に帰国した。帰国後、Xは平成31年1月7日、東京都知事を経由して外務大臣に対して一般旅券の発給申請をしたところ、トルコへの入国が認められない者であるから旅券法13条1項1号に該当するとして、令和元年7月10日付けで旅券発給拒否処分を受けた。同月12日にXが受け取った同処分にかかる通知書にはXは「平成30年(2018年)10月24日、トルコ共和国から同国の法規に基づく入国禁止措置(5年間)を受けたことにより、同国への入国が認められない者」であり一般旅券の発給等の制限の対象に該当すると記載されていた。¶001