事実
株式会社X(原告)は、真珠の養殖、加工、輸出入及び国内販売等を目的する株式会社Y(被告)の株式177万2700株を有する株主であり、かつ保有目的は「重要提案行為等を行うこと」とする。Yの発行済み株式総数は1677万3376株(自己株式143万8016株を含む)であり、スタンダード市場に上場している。¶001
Xは、令和4年11月21日付けで、Yに対して、現任取締役の解任及びそれに伴う後任取締役として新たな取締役を選任することを内容とする議題「取締役4名選任の件」等を目的とする臨時株主総会の招集を請求した。Xの総会招集請求を受けて、Yが令和5年3月16日に「取締役4名選任の件」等を議案として臨時株主総会(以下「前件臨時総会」という)を開催したが、当該議案は約77%の反対により否決されていた。その後、Xが前件臨時総会で否決されたにもかかわらず同総会の開催からわずか2週間余りで、同年6月の定時株主総会において、前件臨時総会と全く同様の内容である「取締役4名選任の件」を目的とする(以下「本件株主提案」という)ことを請求した。YはXの本件株主提案を受け、「当社第62期定時株主総会〔以下「本件総会」という〕に係る株主提案に関するお知らせ」と題するリリースを公表したが、「大多数の当社株主の皆様のご意思を無視する提案株主の姿勢には、……驚きを禁じ得ません」と評価した。また、前件臨時総会に提示された理由と同じ内容を記載するのみであり、Yが複数回にわたって行った質問に対する追加的な説明は全く行わなかったことを批判した。¶002