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事実の概要

平成6年12月、X(原告)はY保険会社(被告)との間で、地震保険契約(以下「本件保険契約」)を締結した。その保険証券によれば、保険の目的物は、Xの土地に所在する住宅および物置等とされ、保険金額はそれぞれ1000万円(住宅)、125万円(物置)とされた。¶001

ただし、地震保険は政府による再保険の引受けによって成り立つ制度であり、その保険金額の限度額は当時、居住用建物について1000万円とされていた(地震保険法2条2項4号、同施行令2条)。そして、当時の地震保険普通保険約款(以下「本件約款」)では、同一構内にあり同一被保険者が所有する建物については保険金額の限度額を1000万円とし、保険金額がこれを超える場合にはこの限度額を保険金額とみなすこと(4条2項)、2項により保険金が支払われた場合には、保険金額から限度額を差し引いた残額に対する保険料を返還すること(5項)、が定められていた。¶002