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事実の概要

(1)

昭和42年6月7日、当時20歳のX(原告・被控訴人=控訴人・上告人)は、同人が整備工として勤務するY社(被告・控訴人=被控訴人・被上告人)の工場において、点検修理中であったショベルカーのバケットを吊り上げていたクレーンのワイヤーロープが切断し、落下したバケットの下敷きになって脳挫傷、頸椎骨折等の重傷を負ったことで、生涯にわたって労働能力を完全に喪失した。¶001

(2)

そこで、XはY社に対し、不法行為を理由に、労働不能に伴う賃金相当額の逸失利益や慰謝料などを損害賠償として請求した。¶002