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* 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業弁護士。¶001

前回に続いて、今回もメディアの行動原理に焦点を当てる。前回は、メディア総論という形で、マクロな視点からメディアの行動原理について論じたが、今回は、個々の記者が、どのような発想で取材活動にあたり、どのようにニュースが作られているのかというミクロな視点から論じる。¶002

Ⅰ 「見出し」の重要性

1 メディア側から見た「見出し」の重要性

記者が、事件・事故などの事象を取材する際、その事象を記事にした場合には、どのような見出し1)を付けられるかということを常に意識している。新人記者は、先輩記者やデスクから、「自分なりに、見出しをイメージできるまで取材を尽くすように」と指導される。新人時代に、「何が要点なのか、一言で説明できるようになるまで取材し、情報を咀嚼する」という作法を徹底的にたたき込まれるのである。¶003