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婚姻平等法と呼ばれた「2024年民商法典改正法(第24号)」(2024年9月24日公布)が2025年1月22日に施行され、タイは台湾、ネパールに続き、同性婚を法的に承認するアジアで3番目の国となった。同改正により、主として第5編「家族」および第6編「相続」の70以上の規定で「夫婦」、「男」、「女」の語がジェンダー中立的な「配偶者」、「人」に置き換えられた。同法の制定趣旨は、「家族制度が社会開発および人民の生活の質向上の重要な単位であるが、民商法典上、家庭を築くことは男女間の関係に限定され、性的多様性を有する者が家族として共同生活し、扶養等の面において男女間の婚姻と異ならないというタイ社会の現況に適合していない」として、「性的多様性を有する者が互いに婚約および婚姻をなすことができることを保障し、男女の婚姻と同等の家族上の権利、義務および地位を有するようにする」ことにある。改正により婚約の申出や婚資の提供など従来は男性側の行為とされていた事項が法文上は双方から可能なものとなったことから、LGBTQ以外の婚姻への影響もあり得るものとなっている。¶001