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左から、山野目章夫、井上稔、大谷太、西希代子、野澤千絵

Ⅰ 動き出した令和3年の土地法制

山野目2020年に改正された土地基本法が示す理念が、2021年の民法・不動産登記法の改正で具体化され、相続登記が義務となり、相続土地国庫帰属制度が設けられるなどしました。読者の皆さんにおいてもご存じの方がたくさんいらっしゃると想像します。これらは、令和3年法律第24号、及び同第25号により実現したものです。公布が同年であり、施行は段階的にされてきました。相続登記の義務化が実施されて約1年が、相続土地国庫帰属制度に至っては約2年を経ます。近時の民事法制の中でもこれらほど国民から注目されて賑やかに論議され、また社会的に広く関心が寄せられているものもないのではないかと感じます。広報に努める法務省や司法書士会の工夫が奏功し、法務局の窓口は多くの人たちが相続登記の申請に訪れ、事務が渋滞しているといううれしい悲鳴も聞こえてきます。¶001