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Ⅰ なぜ、ジュリストで「広報」なのか
今月号のジュリストの表紙や目次をご覧になって、そう感じられた読者の方々も多くいらっしゃるのではないだろうか。¶001
筆者は、大学卒業後、報道記者として事件・事故取材の日々を送っていたが、思うところがあって、司法試験を受験して弁護士となり、今は、都内の大規模法律事務所において、企業の不祥事対応等の危機管理プラクティスに従事している。危機管理プラクティスは、不祥事が発覚した企業が被る様々なダメージを可能な限り最小化し、当該企業が正常な企業活動をなるべく早期に再開することを目的とするものだが、この目的を達成する上では、メディア対応を中心とする危機管理広報も重要となる1)。それゆえに、企業の危機管理に関与する弁護士や法務・コンプライアンス部門に広報的発想が求められることは勿論のこと、近時は、有事・平時を問わず、弁護士業務や法務・コンプライアンス部門の業務に関して、広報的発想・素養・センスが求められる場面が確実に増えていると感じている。¶002