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フルダ市を拠点とするスーパーマーケットチェーンのTegut(テグート)は、無人ミニスーパーのteo(テオ)を展開している。テオは、ヘッセン州に約30店舗あり、週7日24時間「開店」している。約50m2の店舗に約1000品目を並べるという小規模コンセプトで、店内に常駐のスタッフはおらず、顧客はアプリやカードを使って店内に入り、商品をスキャンし、アプリやカードで支払いをする。¶001

テオが画期的なのは、いわゆる閉店法の適用外として運営されていたからである。ドイツの閉店法は州によって違いがあるが、原則として日曜日・祝日には販売店舗は閉店しなければならないとされている(武市周作「ドイツにおける憲法上の日曜日および祝日の保護に関する予備的考察」東洋法学62巻2号〔2018年〕59頁参照)。したがってドイツでは、ガソリンスタンドや駅・空港等の店舗の例外を除いて、日曜日・祝日に買い物をすることはできない。日曜日・祝日も営業するテオは、鉄道駅のない地域、特に農村部での食料供給への貢献を期待されており、住民や自治体からも歓迎されていた。日曜日・祝日の売上げは特に好調だったとされている。¶002