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Ⅰ はじめに

本稿は、2024年3月15日に文化庁文化審議会著作権分科会法制度小委員会が公表した見解「AIと著作権に関する考え方について」(以下「本見解」)のうち、AI生成物の著作物性に関する記載を分析し、今後の法実務について検討するものである。¶001

現在、普及している生成AIの仕組みは、概ね学習用データから特徴量を読み取ることで、その傾向を学習し、ユーザーの指示によって、当該指示を踏まえたテキスト、画像、音楽などのAI生成物を出力するというものである。一方、その生成過程における人の作業を見ると、データを学習させたり、出力指示を出すなど、伝統的な著作物の創作(紙やペンなどによる執筆、作画など)とは異なる側面が存在する。¶002