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Ⅰ 住民代表機関への不信感
地方議会は住民代表機関、すなわち、住民の選挙によって選ばれる議員によって構成され、住民に代わって民意を集約し、団体意思を決定する役割を担う合議体である。したがって、議会がその役割を十分に果たすためには、構成員である議員が住民から自分たちの代表として認められ、信頼されていなければならない。¶001
ところが、現実には、住民の間に地方議会に対する不信感が根強く存在し、議会の活動に対する無関心も広がっている。議会選挙における投票率は低下する一方である。2023年の統一地方選挙では選挙を実施した41道府県議会の平均投票率が41.85%まで落ち込み、戦後最低を記録した1)。これまで比較的高い投票率を誇ってきた町村議会選挙でさえ、かろうじて5割を超える55.49%にとどまった。とくに若年層の投票率は低く、20歳代ではわずか20%程度の地域も珍しくない2)。若者の無関心は各種調査にも表れており、統一地方選挙前の2023年2月に日本財団が全国の17~19歳の男女を対象に実施したインターネット調査(18歳意識調査「第55回地方議会」)によれば、約半数が地方議会の役割を知らず、地方議会を「信頼していない」と回答した人の割合が「信頼している」人の割合を上回った。¶002