FONT SIZE
S
M
L

英国では、議会の新会期冒頭に国王ないし女王による演説が実施され、そこで政府の施政方針と立法計画が示される。先代の女王エリザベスⅡ世の治世下で行われた2022年5月10日の最後の女王演説は、女王の健康上の理由から皇太子が代読し、ボリス・ジョンソン保守党政権としても最後となった2022-23年会期の立法計画が示されていた。¶001

2022-23年会期の立法実績

政府提出法案のうち同会期に制定されたのは、当時の重要政策課題に対応するものとして、2022年エネルギー価格法、2023年英国インフラ投資銀行法、2023年公共秩序法、2023年残存EU法(廃止及び改革)法、2023年金融サービス及び市場法、2023年国家安全保障法、2023年不法移民法、2023年電子商取引文書法、2023年オンライン安全法、2023年地方活性化及び再生法、2023年経済犯罪及び企業透明性法などであった。この会期の途上、2022年9月にリズ・トラスが、翌月にはリシ・スナクが首相に就任するという場面もあったが、54件の政府提出法案のうち43件が成立した。¶002