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 事実の概要 

子Aの父であるX(原審申立人・本件相手方。オーストラリア国籍)と母であるY(原審相手方・本件抗告人。日本国籍)は、2017年にインターネットを通じて知り合って交際するようになり、Xは、2019年に来日しYと性的関係を持った。Xがオーストラリア(以下、「豪州」)に戻った後、Yが妊娠したことが分かり、XとYの協議の結果、豪州においてXがアパートの居室を購入してXとYが同居し、誕生してくる子もそこで養育することになった。Yは、2019年7月に豪州に渡ってXとの同居生活を開始し現地の病院でAを出産した。しかし、Yは、XがYに寄り添う姿勢を見せなかったことなどから、出産前に、Xに対する不満を感じるようになっており、Aの出生時には、Aを豪州でXとともに養育する意思を失っていた。XとYは、予定通り、豪州のXのアパートでAを養育していたが、次のような経緯で、出生の43日後に、YはAを連れて日本に渡航した。すなわち、Yは、Yの超高齢の祖母に曾孫Aを見せるためなどという理由で、YがAとともに日本に一時的に帰国することを求め、Xはそれを了承した(Yは、3か月以内に豪州に戻ることを前提とする一時的出入国用のビザを取得した)。¶001