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 事実の概要 

原告ら(X1~X6)は、東海道新幹線等を運行する被告(Y)会社において、新幹線の乗務員(運転士)として勤務している。乗務員の就労スケジュールである「交番」は17日を周期として設置され、交番にしたがって勤務する「交番月」とこれに基づかずその都度乗務する行路が指定される「予備月」とが交互に割り与えられる。労働時間については、1か月を変形期間とする1か月単位の変形労働時間制が採用されている。¶001

年次有給休暇(以下、年休)の取得については、その前提として、Xらの属する運転所では「年休順位制度」が用いられ、取得対象となる月の前々月の末日に全従業員を対象として無作為抽出の方法により取得順位を決定して周知する。その上で、①年休を希望する乗務員は、希望日の前月の20日までに、「年休申込簿」に所定事項(申込月日、職名、氏名、時季指定日、事由、備考)を記入して年休使用日を届け出る。②Yは年休希望日の前月25日に、当月分の公休や特休とともに乗務員の勤務割を指定した「勤務指定表」を発表し、これをもって乗務員の就労義務がある日(勤務予定日)を確定する。③勤務日の5日前に乗務員の具体的な勤務内容を記載した「日別勤務指定表」が発表され、この日が年休申込簿に記載した年休予定日であるときには「年休」と記載されるが、その記載がなされず行路が記載されているときには、Yが時季変更権を行使したことを意味していた。こうした手続のもとで、平成27年度と同28年度の合計で、「年休の申請をした回数とそのうち年休を取得できなかった回数」と取得日数は、X主張および認定事実から推定すると、X1は153回のうち119回(34日取得)、X2は138回のうち106回(32日取得)、X3は191回のうち157回(34日取得)、X4は160回のうち122回(38日取得)、X5は211回のうち168回(43日取得)、X6は141回のうち100回(41日取得)であった。¶002