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2022年2月のロシアの軍事侵攻により始まったロシア・ウクライナ戦争は長期化しており、ロシアの学校教育にも大きな影響を及ぼしている。¶001

プーチン大統領が2000年に就任して以降、教育政策においては1990年代に進められた自由化や多様化から転換し、一定の集権化が目指されてきた。主な改革の例には、連邦全体の教育課程の基準である国家教育スタンダードの導入や、教科書検定制度の見直し等が挙げられる。また、政府は2001年に策定したロシア国民の愛国教育に関する国家プログラムを5年ごとに改定し、愛国主義教育の普及を推進してきた。特に、2012年からのプーチン政権3期目以降には、ロシア語教育、歴史教育、道徳教育の充実等の動きが見られた。2020年の連邦憲法改正では、愛国主義的・保守的な価値観を強調する諸規定が新たに設けられ、子どもの教育に関しては、国家が子どもの愛国心育成を促進する状況を作ることが定められた(67.1条)。¶002