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事実の概要

昭和52年6月28日午前10時頃、A警察署警察官Bらは、被告人を覚醒剤譲渡の被疑事実で逮捕した。Bは、被告人の両腕の静脈注射痕様のもの、その言語・態度などから、覚醒剤の自己使用の余罪の嫌疑を抱き、尿の任意提出を再三求めたが、被告人は拒絶し続けた。翌29日午後4時頃、A署は、強制採尿もやむなしとして身体検査令状および鑑定処分許可状の発付を得た。同日夕刻、鑑定受託者の医師Cは、強制採尿の着手に先立ち、被告人に自然排尿の機会を与えた後、同日午後7時頃、A署医務室のベッド上において、数人の警察官に身体を押さえつけられている被告人から、ゴム製カテーテルを尿道に挿入して約100ccの尿を採取した。被告人は、採尿の開始直前まで激しく抵抗したが、開始後はさして抵抗しなかった。A署は、Cから、採取した尿の任意提出を受けてこれを領置し、尿中の覚醒剤含有の有無等につき鑑定の嘱託手続をとった。¶001